1階の土間は熟し(こなし)部屋として、米や麦の脱穀・精白作業に使用していたとのこと。また、小屋裏の空間では、敷地内に桑の木があったことや、か
つて尾張・美濃地域が養蚕地帯であったことから、養蚕を営んでいたと推測される。
一時期は農作業小屋だったというが、元は座敷のある離れだったと考えられる。たちの低い厨子2階建ての外観が、中小田井町並み保存地区と一体となっ
て、その歴史的な景観に奥行きを与えている。
中小田井は、旧岩倉街道沿いの町家を主屋に、裏の大きな敷地に離れや土蔵を持つ商家が多く立ち並んでおり、そういった離れの一つであったと考えられる
この建物は、中小田井の敷地の使い方の特徴をよく示している。
近年、建物が持つ魅力を引き出すように改修され、まちづくり団体の活動拠点として活用されている。
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